世論と政治が経済を破壊する!コロナ禍の外食産業は本当に悪なのか?

 

新型コロナウィルスの蔓延により緊急事態宣言が複数回実施され、その度に飲食業への営業時間の短縮が要請されるなど、これまでにはない異例の事態となっています。

とくに東京や大阪など大都市の中心部にある飲酒を伴う飲食店では、夜8時以降の稼ぎどきにあたる営業時間のほとんどを営業することができなくなりました。営業時間の短縮に応じたお店には協力金が支払われているとはいえ、大きな収入減を余儀なくされた飲食店や関連事業者では、夏場以降に廃業が相次いでいます。

 

 

2020年4月からの東京などを中心とした大都市の緊急事態宣言発令以降、国民は各ご家庭での自粛生活を始めました。GWや夏休み、週末、連休の旅行や観光も自粛、そのような中で始まった飲食店の営業自粛や営業時間短縮要請で、外食する人の数は激減。その結果農水産業への影響も出始めました。とくに高級品とよばれる食材の相場は大きく下落し、連鎖的に食材全般の価格が下落していきました。これに伴い、第1次産業に従事する漁師や酪農家、農家の収入も減り続けています。

 

 

そこで各飲食店は、自店だけでなく食料品の産業全体を守るべく、少しでも売上げを回復させようと苦肉の策を打ち出し、これまで行っていなかったテイクアウトやデリバリーを始めました。しかしテイクアウトやデリバリーには非常に細かな許可や準備が必要なこと、また今まで以上に人手も必要になるので、特に個人で営業する小さな店は満足な売上げと利益を回復できませんでした。

 

 

各事業者が苦肉の策を講じて営業する中、コロナウィルスの蔓延は終息することなく、秋、冬を迎えてますます感染者は増加、その度にニュースや世論は、飲食店の営業に対して厳しい目を向けてきました。確かに飲食店での感染がないわけではありません。しかし各店舗では座席の間隔を広くとったり、アクリル板を設置して感染防止に努めています。それにも関わらず、飲食店が感染源であるかのような政策や世論の風潮に違和感を感じる国民も多いのではないでしょうか。

 

 

では、なぜ飲食店ばかりがターゲットになってしまうのかを考えてみたいと思います。

そもそもコロナ禍で話題になった『3密』という言葉。3密は『密集』『密接』『密閉』を意味し、できるだけソーシャルディスタンスを確保して生活することを推奨するための指標です。飲食店以外でも、人が密になる場所は数多くあります。通勤のバスや電車内、職場やコンビニ、スーパーマーケットも密な場合が多いでしょう。これらは生活に欠かせないものとはいえ、飲食店での食事も欠かせない行動であり、最も身近なレジャーでもあります。

 

 

まず政府が飲食店に営業自粛を要請しやすいのは、飲食店の経営に個人経営者が多く、大きな圧力団体に所属していないことが大きいでしょう。大企業や商店街など、比較的大きな団体には支持する政治団体があります。もしも多くの飲食店経営者がそのような団体に所属しているならば、そこに支持されている政治家や政党が営業自粛にストップをかけるでしょう。現にホテルや旅館などの比較的大きな政治団体を持つ業種は、飲食店よりも娯楽嗜好が高い業種であるにも関わらず、そのほとんどが営業しており、Go Toトラベルキャンペーンなどで手厚い支援を受けています。しかし、観光地では一切感染が認められていないわけではありません。このように今の現状では、どこにいても感染のリスクがあるし、それを避けることは日常生活では不可能だということです。

 

 

コロナ禍においてもっとも目立つのは、マスコミや世論の無責任な批判や中傷です。新型コロナウィルスの蔓延以降、ひとつでも悪いところがあれば徹底的に叩く風潮が日増しに強くなっているように感じます。

飲食店が休めばコロナ禍が収まるということは絶対になく、飲食店に行かなくなった人は別の場所で食事をします。それはコンビニかもしれませんし、駅の立ち食い蕎麦屋かも知れません。いずれにせよ、新しい場所での感染リスクが高まるのは事実です。

 

 

いま国民ができることは、感染のリスクを減らすために気をつけながら、しっかりと経済活動を続けられる環境を守り続けることです。飲食店が減れば、食事を満足にとれない労働者も出てくるでしょう。いったいその時に誰が責任を負い、誰が国民の食事を守るのか。まだまだ続くであろうコロナ禍について、国民の一人ひとりが考えなくてはならないのです。




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