コロナ禍で疲弊し続けるライブエンタメに起き始めているポジティブな変革とは!

 

2019年に過去最高を記録したライブエンターテイメントの市場でしたが、2020年の新型コロナウィルスの蔓延が原因となり、およそ80%以上減にも及ぶ機会喪失が発生し、その成長に急ブレーキがかけられてしまいました。そのなかでも、特に大きなダメージを受けたのが音楽ライブの分野でした。2020年の2月以降の公演が次々に延期や中止となり、2021年を迎えた今でも、その再開の目途すらたっっていません。



2020年の夏場以降、イベント開催における入場者の制限が少しずつ緩和され、感染対策を徹底したうえで、徐々に公演が再開され始めました。しかし、通常の半分程度に抑えられた収容人数では採算をとることが難しいうえ、コロナの不安が残る中で、普段であれば即日完売が当たり前のアーティストのライブ公演でチケットが完売できない実情がありました。そして秋、冬とコロナ感染者が再び爆発的に増え、国内外のエンターテインメント市場は更に深刻な状況になっています。

しかし、音楽シーンを除いたライブステージにおいては比較的順調に集客を戻している舞台演劇なども見られ、市場規模は元に戻りつつある娯楽産業もあります。ただ、コロナ禍の終息に見通しが全く立っていない現状を鑑みると、まだまだ完全な回復とまでは至っていません。



そこで、新しい技術を取り入れて自宅などで気軽にライブ映像を楽しめる、オンラインライブ配信が始まりました。これは日本だけでなく、国内外のアーティストが世界中で試みている方法で、無観客のライブステージ映像を有料、または無料でストリーミング配信し、チケット収入や広告収入を得るものです。

実際に、海外の有名アーティストはこの方法で大きな収益を獲得しています。とくにK-POPを世界に広げつつある韓国のアーティストは、欧米にまで進出して、自国のさほど大きいとは言えないマーケットと欠点を補っています。



では、日本ではどうかと見てみると、もともと日本の音楽市場は一部の東アジアや東南アジアで人気があるものの、その市場は大きなものではなく、国内市場をターゲットにしているアーティストがほとんどです。そのため、ライブ配信で獲得できる収益はそれほど多いとは言えないのです。また世界の先進国の中で見ても、日本のオンライン普及率は低くはありませんが、ストリーミングやケーブルテレビなどの有料コンテンツの普及率は高いとは言えないのが現状。

若い人を中心にライブ配信が広がってはいるものの、実際に高額のチケットを買ってでも観てくれる年齢層の獲得には至っていないのです。



そこで考えなければならないのは、有料コンテンツの内容や質を上げること。例えば単独のアーティストによるライブではなく、複数の幅広いジャンルのアーティストが、それぞれ別のライブステージやスタジオから映像を配信してコラボレーション企画するとか、今人気のお笑い芸人とのマッチングをしてみるとか。いろいろな手段を講じながら『当たり』を探ることが必要です。

そのようななかで有料のストリーミング配信をするのか、または大手企業のスポンサーにプロデュースしてもらうのか、また投げ銭機能を使いながら無料配信で広告収入を得るなど、現代ならではの多様な方法を考えることが必要です。

 

このような方法であれば、テレビやマスコミ嫌いな大物アーティストも参加するかもしれませんし、海外のアーティストとのコラボレーション企画も難しくはないはずです。



業界がコロナ禍の苦境にあえぐなか、このような方法を前向きに行っていくことは大変重要なこと。オンラインのライブ配信では、アーティストだけではなく、スタッフや顧客の利便性も大きく上がります。大きなコンサートホールでは、大人数の顧客に対してスタッフの数や労働時間も莫大にかかり、その作業も過酷なものでした。しかしこのコロナ禍を機に、これまでの効率の悪い方法を一部で見直し、コンパクトでも大きなマーケットを獲得できる方法へのシフトが進んでいくのではないでしょうか。

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