ここ数年、芸能界におけるいわゆるお笑い芸人の地位は格段に高くなりました。関西の大手芸能事務所の本格的な進出が始まり、テレビでは毎年お笑いの王者を決める番組が社会現象になったり、お笑い芸人がクイ番組で大活躍するまでに至りました。
これは、テレビというエンターテイメント業界が景気の低迷から制作費を抑えるため、ギャラの安いお笑い芸人を積極的にクイズ回答者やコメンテーターに起用し始めたことがきっかけといわれています。しかし、その安定した面白さは、これまでの芸能タレントや俳優よりもはるかに質が高く、高視聴率を獲得するようになりました。
しかし、そんな芸人の世界こそ超激戦のレッドオーシャン。芸人になっても、生半可な気持ちでは食べていくこともできません。
これからのエンターティナーとして、芸人が生き残るにはどのような戦略が必要か?
今回は、芸能界で芸人が生き残る方法を考察してみます。
第1章 テレビ時代の終焉?
いまテレビ業界は、インターネットの動画配信によって大きくその存在感を下げられています。特に子どもや若者のテレビ離れは著しく、学生に至ってはほとんどテレビを見ないとまでいわれています。
若者が情報を入手する手段は、そのほとんどがスマートフォンです。インターネットの無料動画やネットニュース、SNSなどで、自分の気に入った興味のある情報を選びだしてインプットしています。
今後もインターネット社会が縮小することなく、さらに拡大していくことが容易に想像されます。このような中で一部のテレビやインターネットコンテンツに売れっ子芸人が集中し、どんどん流行りのように芸人の入れ替わりが起こっていきます。
レッドオーシャンの業界の中、大きなお笑いイベントで入賞することができなかったり、大手芸能事務所に所属しない芸人が生き残るには、インターネットコンテンツやオフラインコンテンツを厳選して、人気のでる方法を見つけ、創りあげていくことが必要になります。
第2章 伸び続けるインターネット配信
在宅勤務や在宅学習といった、オンラインといういままでに無かった情報のやり取りが急速に家庭に入り込んでいる現在、インターネットをつかった情報配信の利用が今後も伸び続けます。これから売り出す芸人は、大手芸能事務に所属しないと全国的に売り出すことは非常に困難です。もっとも、実力が特出している芸人はどの舞台でも活躍できるでしょうが。
そこで、インターネットを使った動画配信を“有効的に使う”ことが望まれます。
この“有効的”とは、「ただ、自分の芸の動画を撮影して無料サイトに流す」という行為が厳禁です。なぜなら、いきなりレッドオーシャンの業界で、同じレッドオーシャンのインターネットの世界に自分のファンもなく飛び込んでも、まったく目に見えるのは埋没。それを無くすには、確実に視聴してくれたり、拡散してくれるファンを獲得してから参入することがポイントです。
まずはストリートでも公園でも、法的に許可されていればどこでも構いません。まず取り組むのは、アナログなオフラインでオーディエンスの反応を見ながら少数でもコアなファンを獲得。そこからSNSや無料動画、動画配信などを使って、ファンに拡散してもらいながら成長させていきます。
いまでは「投げ銭」というシステムで、ライブ動画の配信上でファンやオーディエンスが自分の気に入ったタレントにお金を支援し、直接支えるというサービスも人気です。
そこでは、コアなファンがお笑い芸人だけでなく、ミュージシャンや女優の卵、タレントなどを幅広く支援し、新たなデビューのステージとして定着しつつあります。
これから新しくデビューしたい!とか、地方からいきなりデビューしたいという自分の芸に自信がある人は、このような新しい技術を利用して、早く人気者になってもらいたいと思います。