娯楽消費は映画とゲームにシフトし続けるのか?コンテンツの安定供給がカギを握る!

 

コロナ禍で若者の人気が集中しているのが映画やゲームといったコンテンツ。先日も、2020年に公開されたアニメ映画が興行収入の新記録を打ち立てるなど、3密の回避行動を感じさせないほどの勢いが見て取れます。

実際に世論調査では、若年層の娯楽消費の嗜好はゲームなどの電子機器や映画などにこれまでより多くの費用を支出をしているというアンケート結果が出ています。

そんな中でいま、ゲームや映画コンテンツの制作や供給をする側に異変が起きています。



コロナ禍で大きな売上げをあげているのが、インターネットを使ったオンライオンストリーミングサービス。コロナ禍で自宅での自粛生活を強いられている人々に楽しい時間とコンテンツを提供して大きな収益を獲得しています。

このようなパンデミック状態で、いち早く若者たちの娯楽に対する消費欲求に対応したストリーミングやゲームなどですが、従来通りのテレビの番組はそのコンテンツからうまく収入を得られずにいます。それは万人受けを大切に考えるテレビコンテンツが、ニッチな若者の欲求に対応できず、結果的にオンラインの娯楽コンテンツにその需要を奪われていることの証明といえるでしょう。



世界的にみても、いまの娯楽消費はオンラインの消費に向かっています。舞台演劇や映画などに関しても、これまではリアルな劇場でのライブ鑑賞が当たり前でしたが、今では無観客の舞台をライブ配信しながら、オンラインチケットを購入したオーディエンスが自宅のテレビやモニターで観るということが普通になりつつあります。また制作側も、ライブ配信をメインとしたコンテンツの作成にシフトしているのです。

これは、人々が自宅の孤立した状態で過ごす中で、できるだけ家で楽しめるものを求めているということです。そこで、ストリーミングサービスやゲームなどのオンラインで楽しむことができるものに消費需要が集中した結果なのです。



しかし、だからといってオンラインで娯楽コンテンツを提供する側が安心しているかといえばそうではありません。提供するコンテンツは、コロナ禍の前に制作されたもので、そのコンテンツのストックには限りがあるからです。もちろんそれらのコンテンツは、常に企画されており、いつでも制作にとりかかれるように脚本家によっても作成準備が進められ手入るのですが、いざ制作するという段階になってもコロナの影響でスタッフが作成に入れない状態にあるのが現実なのです。



実際に日本の国内においても、ゲーム会社やアニメーションを制作する企業や現場でリモートワークが進められ、制作が順調に行くかと思われていたのですが、現実は簡単ではありませんでした。ゲームやアニメーションの制作には、通常数名の企画メンバーが集まって作業を分業したり、制作内容の修正や訂正を行っていくのですが、オンラインではその作業が上手く出来ず、非常に効率が悪くなってしまい作業が思うように進んでいないのです。



それに対し、オンラインコンテンツに対する消費者の好みは細分化され、その好みにあわせたコンテンツが売りであるオンラインコンテンツでは、そのストックは数こそ有れど、各自の嗜好に合わせた在庫はそれほど多いとは言えません。しかも、制作側の作業ははかどらず、実質的に作り手側の作業は停止状態にあるといえるいま、制作現場の心身の疲弊も大きくなっています。

また、このようなコンテンツ不足の中で、じつは消費者の中にもオンラインコンテンツに対する疲労感が溜まってきているという見方もあります。映画やドラマなどの有料配信に加え、無料で好みの動画を楽しめるYouTubeなど、1日中スマホやPC、モニターを見続ける中で、自分の好みのコンテンツばかりを観ていて飽きが来たり、ストレスが溜まるのは理解できます。



消費者に対して新しいコンテンツが提供され、それがこれまでの選択肢よりも嗜好にあったものであれば当然市場は変化します。しかし、従来通りのライブ劇場やテーマパーク、映画館などが再開されれば、また元のライブ現場に需要はながれ、現在のオンラインの娯楽需要は落ち着きを取り戻すでしょう。

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