イラストレーターやアニメ制作に関わる仕事。それは、多くの若者が憧れたり目標にする仕事です。しかし、アニメ制作が一体どのような仕事なのかを知らずに業界に入る人も少なくありません。
アニメ制作という現場は「動画制作」と「原画制作」の2班に大きく振り分けられ、初心者は動画制作からスタート。実績と実力が評価されると原画制作へと出世していきます。
アニメ映画や漫画の作成というと、昔のように狭いアパートに皆が缶詰になって一心不乱に絵を描くというイメージが先行します。実際には、今は、もっと合理的に作業が進めやすいように配慮され、その仕事環境も改善されつつあります。
アニメーション制作の現場で起こった悲劇的な事件にあったように、アニメーション作成の現場は更に改革を求められています。これからのイラストレーターやアニメーターの仕事は、発達し続けるオンラインの世界とどのように結びついて行けばいいのかを検証します。
第1章 アニメ制作に欠かせなかった連携
アニメ制作会社では、前記のように原画制作班が作成した絵をもとに、動画作成班が動きのある絵に見せるように原画と原画の間の絵を1秒間に24枚以下の枚数で書いていきます。
それを、総合的にまとめ上げてチェックしていくのが作画監督で、原画制作班のリーダー的な立場で、アニメーションに仕立て上げていきます。
このように、決まったストーリーに沿ったキャラクターを原画制作班がおこし、動画作成班が動きにしていくという流れを1つの会社のフロアでチェックしながら作る。これが、今までのアニメ制作会社でのイラストレーターやアニメーターの仕事でした。
作画監督の下で、常にチェックを入れながらひたすら皆で絵を描く姿が想像できるのではないでしょうか。
しかし合理的に物事を効率よく進めるには、この方法が本当に正解なのでしょうか。昔からの慣習という壁が、効率かと合理化を邪魔しているとは思いませんか?
次に、オンラインでアニメ制作会社の仕事がどのように変化するかを考えてみましょう。
第2章 アニメ制作の過程を合理化するオンライン
アニメ制作に欠かせない存在となっているのは、なんといっても人力です。コンピューターグラフィック(CG)技術が発達している今でも、日本のアニメーションが世界で人気なのは、やはりこの人力による絵の温度感です。CGで作り上げたディズニーアニメとジブリアニメの違いがこれを物語っています。
CGアニメと手書き、もしくは手書きハイブリッドアニメは好みの問題ですが、今だ日本では手書きとハイブリッドが受け入れられやすいようです。
このように、従来の手書きがモノを言う日本のアニメ制作会社でも、昨今の働き方改革の影響で、勤務の時短や残業の禁止といった、芸術界とは無縁の制度を押し付けられています。
本来、このような業界では、社員が締め切りまでにどれだけの量をこなしたか、また、その出来具合が成果となって評価されて出世していくものです。与えられた仕事を時間単位でこなす仕事ではありません。これをオンラインで効率化し、時間単位の給与体制からフリーランスとしての個別契約を結ぶことで、雇用側と労働者側の負担やリスクを軽減させることが可能となります。
オンラインシステムを利用すれば、原画班と動画班の作業時間のズレを勤務時間を変えることで解消でき、作画監督も効率的に仕事ができるようになります。
また、個々に自宅や仕事のスペースを持つために、会社が大きな負担を背負って社屋を持つ必要もありません。決められたタイミングで、必要な人員が集まれる場所を確保するだけで、円滑に事業を進められるのです。
人と人とのコミュニケーションを怠らないようにシステムを管理するだけで、大きな経費の削減とスタッフ個々の労働時間の短縮や安全を担保できるのがオンラインワークのメリットです。