コロナ社会がゲーム業界にもたらす年商の変化とは?数字では見て取れないメリットとデメリットを解説

 

新型コロナウィルスの蔓延により、芸能やスポーツなどの多くのエンターテインメント関連の企業が大打撃を受ける中で、ゲーム業界は、巣ごもり需要の影響で業績を伸ばし続けている数少ない業界といわれています。実際に、今年のゲーム業界においてはその年商を5%~数10%伸ばすところもあると予想しています。

 

2020年は日本にとって、大きな転換期となるはずの年でした。夏には世界最大級のスポーツイベントである東京オリンピック2020を控え、それに関連したインバウンド観光を当て込んだ企画が目白押しに企画されていたからです。しかし、まさかの世界的な新型コロナウィルスの影響で、ほとんどのイベントは中止又は延期され、その経済的な損失は今だ算出できる状態とは言えません。それは、まだまだ落ち込む可能性を否定できないことが原因です。

 

そのような状況の中でゲーム業界が売上を伸ばし続けています。それは、巣ごもり需要というコロナ禍で外出できずにいる人の、自宅でのエンターテインメント消費が伸びたことの影響によるものです。ここでは、今後コロナウィルスの影響による社会的経済の停滞によりって、ゲーム業界にどのような影響が起こり得るのかを予測しながら検証してみたいと思います。

 

コロナ禍がもたらすゲーム業界への影響

 

今年に入って春以降のゲーム業界の売上を大きく伸ばしたのは巣ごもり需要です。これは、コロナ禍の外出自粛という流れから自宅でエンターテインメントを楽しみ消費するユーザーが増えたことを示しています。現にニュースやマスコミでも自粛生活中の楽しみ方のひとつとして、オンラインゲームなどが大きく取り上げられました。

 

しかしどれだけ人気があるとしても、これ以上の新型コロナウイルス蔓延が長引くとゲーム機やソフトを作る供給元が稼働できなくなり、消費者のニーズに応えきれなくなるという問題が生じます。このような短期的な利益が上がっていたとしても、これから先の長期的な展望では利益を見込みづらく、一方的に喜べない状況なのです。

 

コロナウィルスで好影響をうけたゲーム業界

 

次に、ゲームの種類別に新型コロナウイルスの好影響を受けた度合を見ていきましょう。 

 

オンライン(スマホ)ゲーム

オンラインのゲーム業界では、コロナ禍によってダウンロード数が50%以上増加するなど大きな伸びを見せています。これは無料でダウンロードしてスタートできる仕組みが巣ごもり需要にマッチしたからです。

中でもAR(拡張現実)などの新技術を用いたゲームアプリが大人気。これは、外出しなくても現実社会とCGを組み合わせることでストレスなくできるゲームで、この開発によってコロナ禍の中での新しい楽しみ方の1つが見つかったように思えます。

 

中でも興味深いのがARを使ったゲームアプリです。ポケモンGOやドラゴンクエストウォークといったゲームは外出制限されていて、ゲームとして機能しないのが普通の考えです。しかし新型コロナウイルスの状況にいち早く対応し、ゲームの仕様を外出しなくても楽しめるものに変更しました。スマホゲームの売上は微増ながらも、思考を凝らすことで解決の糸口が見えることが明らかになりました。

 

コンシューマーゲーム

コンシューマーゲームは、家庭用のゲーム機を使って遊ぶゲームのことです。40年近く前のファミリーコンピューターの発売以降、多くの日本の家庭ゲームの人気を支えてきたモノのひとつです。このコンシューマーゲームも、その売り上げを大きく伸ばしました。特にコロナ禍が始まった春先は60%以上の伸びをみせました。ただし、実際には在庫切れなどもあったのでこの数字以上の需要があったものと考えられます。家族でじっくりと遊ぶことが出来る家庭用ゲーム機に、改めて日が当たった恰好です。

 

コロナ禍がゲーム業界に与える悪影響

 

コロナ禍の中では、ゲーム業界にも悪影響が及んでいるところもあります。実際には、業界全体でみると影響が大きい分野の方がむしろ多いのです。それでは、いったどのような分野・部門が影響を受けているのかを検証しましょう。 

 

ゲーム開発部門

いま、ゲームの新作開発に新型コロナウイルスが大きく影響して遅れが出ています。

ゲームの新作開発はパソコン1台でリモートワークすればできるとを想像している人も多いと思いますが、現実はまるで違います。ゲーム開発はスペックの高いパソコンを複数台使用します。そしてモニターも複数使用するので、リモートワーク環境ではできないのです。

また、新作ゲームを開発した後にも動作確認のチェックや確認には社外秘の機能をもったコンピューターを使うので、出社してチーム作業ができない状況ではことが進まないのです。

 

外部機関の休業

そして、新しいゲームをなんとか完成させても、そのまま販売することはできないのです。実は、ゲームの販売にいたるまでには、そのゲームの内容を審査する機関がOKを出さないと販売できないのです。ゲームの内容を審査するのはCEROという特定非営利活動法人で、対象年齢に相応しい内容化などを厳しくチェックする機関です。この機関が休業したことでもゲームの新作発表に大きな影響がでたのです。(休業期間2020年4月8日~5月6日)

 

展示会イベントの中止

新作ゲームの展示会やイベントの中止でもゲーム業界に大きな影響が出ています。ゲーム業界の展示会は、大規模になると世界規模のビッグイベントになりその内容は最新ゲームを紹介するだけにとどまりません。ゲームを開発するサプライヤーとゲームを販売するバイヤーを繋ぐ仲介役の機能を果たし、展示会での出会いが社運を左右することもあります。これが中止になるとその痛手は小さくはありません。ゲーム業界は普段からリモートを使っていそうですが、最終的にはフェイスtoフェイスでの商談がモノをいうのです。 

 

供給先の休業

ゲームを制作するには、ソフトだけでなくハード面の材料も必要です。しかもその多くの材料が中国に頼っていたことで、コロナウィルスの影響がまともに出てしまいました。最近になってやっとロックダウンが解除された中国ですが、いつまた第二波が来るか分からない状況下では、まだ安心できるとは言い難い状況なのです。

 

このように、ゲーム業界は大きな打撃を受けているのです。 

 

今後のゲーム業界の行方

 

これからもしばらくの間は、ソーシャルディスタンスという社会的距離が重要視される社会になるでしょう。そんな中でも、ゲームがもたらし得るエンターテインメント性はまだまだ需要があると考えられています。さらには、ARやVRといった新しい技術を取り入れて、外出しにくい状況下でもゲームによってそのストレスを打破するようなソフト開発も盛んに進んでいます。ゲームにはいろいろな種類があり、その好みも千差万別です。RPGの様な複雑な内容を楽しむゲームから、シューティングゲームの様なすぐに理解して楽しめるものもあります。今後も社会の動向に合わせたソフトとハードの開発で、新たなゲーム産業の試みに期待したいですね。

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