インターネットが原因ではない?テレビ離れの原因を作ったBPOの罪

最近の生活の中で大きく変わったことのひとつがインターネットの台頭で、それが原因でテレビを見なくなる若者が増たと言われています。

インターネットの動画は、いつでも見たいときに見たい場所で見たいものを見ることができます。そんな便利さがテレビ離れの要因とも。

しかし、本当にそれだけでしょうか?最近のテレビ番組を見ていると、かつてのそれに比べて「つまらなくなった」という声をよく耳にします。そこにはBPOの存在が色濃くあるのではないかと感じるのです。

今回は、なぜBPOができてからテレビ番組の劣化が起きているのかを検証してみたいと思います。ぜひ最後までお付き合い下さい。

テレビ業界の警察?BPO(放送倫理・番組向上機構)の功罪

テレビの番組はかつて、いろいろと物議を醸し出しながらも、数々の面白い番組を世に送り出していました。

しかし、近年そのような楽しめる番組がめっきり少なくなり、毎日同じような内容の番組放送をくり返しています。

最近、テレビ番組の質が落ちたと考えている人も多いのではないでしょうか?

テレビがなぜ面白くなくなったのか?

テレビ番組が面白くなくなった理由には、さまざまな要因が考えられます。

1つは不景気になったことで、番組制作に大金をかけることができなくなったことが大きいでしょう。

昔のように、ちょっとしたクイズ番組でも海外を飛び回って世界各地を紹介したり、素人のクイズ自慢が集まって世界を舞台に頂点を競う番組にはドキドキさせられました。

そんなクイズ番組も、最近ではお笑い芸人やタレントなど毎週同じようなキャストで、漢字をよんだりするような内容ばかりで、あまりドキドキ感がありません。

2つめは、今回の題材である「BPO(放送倫理・番組向上機構)」の存在です。

このBPOの役割は、健全なテレビ番組の内容を審査する役割を持ち、視聴者からのクレームや意見をもとにテレビ番組を調査したり審査します。

そのように聞くと、非常に重要で大切な役割を果たしているように思いますが、現実は「単なるクレーム連絡係」になっています。

しかもBPOには強い権限があり、番組の放送に対してストップをかける権限を持っているために、理不尽ともとれるクレームにも番組制作側が対応せざるを得ず、制作サイドが疲弊し、委縮しているのです。

BPOとはどのような組織か

BPOは2003年、NHKと日本民間放送連盟(民放連)などで組織され、放送人権委員会、青少年委員会、放送倫理検証委員会の3つの委員会によって構成された任意団体です。

番組制作には関わることのない第三者機関で、主に先にあげたテレビ番組の内容に関する調査や審査を、視聴者からの意見やクレームなどをもとに行っています。

BPOの強すぎる権限

テレビの関係者にとっては、BPOから番組の改善命令は、まるで最高裁判所の判決のような効力をもち、BPOで「ダメ!」と言わると、絶対に放送できなくなってしまいます。

番組の放送に関して委員会にかけられる際には、視聴者からの意見が掲載され、それが載るたびに番組の制作現場はかなり萎縮しているのが現実です。

このBPOができてから自由な番組作りが出来なくなり、テレビ番組が面白くなくなったという声は多数聞かれます。

本来は面白い番組作りのために作られたはずのBPOが、視聴者とスポンサーの顔色ばかりを伺うために、番組そのものをつまらなくしているという本末転倒の結果を招いているわけです。

YouTubeはやりたい放題?とうとう逮捕者も!

よくテレビと比較される、投稿型の無料動画サイトであるYouTubeでは、このような機関がまだ存在、機能しておらず「無法地帯」と化しています。

これまでは本当に面白い動画が投稿され、素人ならではの朗らかさが見るものの心を和ませてくれていました。しかしそこに広告がつくようになり、YouTubeがお金儲けの場となり、瞬く間に弱肉強食なレッドオーシャンとなりました。

そこで起きたことは、倫理観や常識のない「犯罪的」な動画の投稿です。ただ単に「視聴回数」だけを目的に迷惑行為をくり返したり、中には完全に法を犯している者もおり、とうとう逮捕者まで現れるようになりました。

このような影響がテレビ番組にも出ているのです。

テレビ番組とYouTubeの違いとBPOの役割

テレビ番組とYouTubeの違いは、ずばり「フィクション」と「ノンフィクション」の差です。テレビ番組には基本的に脚本があり、その内容はフィクションです。しかしYouTubeの場合は、警察に撮影の許可もなく行き当たりばったりで行われる「ノンフィクション」であるため、迷惑行為をすると即犯罪になります。

テレビで同様の内容があっても、実際にはあらかじめ打ち合わせをされており、他人に不利益を与えることは基本ありません。

そこに、両者の大きな違いがあるのです。

しかし、最近ではそれに気づかないテレビ視聴者からの理不尽な意見やクレームが多く、それに対してBPOが適切とは思えない対応で番組制作側に介入するために、テレビが面白くなくなるという悪循環に陥っているのです。

視聴者からのクレームには、よくわからない理不尽なものから、至極まっとうな意見まであります。

BPOが行うべきことは、テレビの番組内容の質を高めるために嘘や差別などを排除して、面白い番組作りのために介入することです。

第三者機関として「ダメなものはダメ」「正しいことは正しい」と、BPOが番組制作側や視聴者、スポンサーに媚びることなく、しっかりと機能してもらいたいものです。

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