世代別にみたゲームエンターテイメントへの関りとマーケットの動向

日本で最初にテレビゲームの歴史が始まったのは、1983年に任天堂から発売されたファミリーコンピューターからと言えるでしょう。その後の1994年にソニーからプレイステーションが発売。2010以降は家庭向けのゲーム専用機からスマートフォンによる配信ゲームが主流のなりました。

 

現在の10歳代~50歳代の幅広い世代がさまざまな形でゲームをしていますが、ファミリーコンピューターの発売からこれまでは、市場経済のあり方も大きく変わりました。

 

幅広い世代がゲームをするようになった現代では、ゲーム市場の経済規模は1兆円を超えるまでに成長し、そのマーケティング活動も非常に細分化されたものになっています。

 

ここでは、そんなゲームエンターテインメントに関わる世代ごとの歴史的背景とマーケットの動向を見ながら、これからのマーケティング戦略について考えていきたいと思います。

ぜひ最後までお付き合い下さい。

 

 

第1章 世代別のゲームへの関りと時代背景

 

ゲームだけでなく、マーケティング活動をするにあたっては、消費者が生まれ育った環境や時代背景に大きな影響を受けます。ですから商品を作る際には、その商品のターゲット世代の消費に関する特徴をしっかりと把握しなければなりません。では、いまゲームをする世代がどのような時代背景を生きてきたのかを1960年生まれから10年ごとに区切って考察していきましょう。

 

1960年~1970年生まれの世代

 

この世代は学生時代から就職するころまで、日本経済が好景気に沸いたいわゆる「バブル世代」と呼ばれる世代です。青春期にファミリーコンピューターが出てきて、思いきり楽しんだ世代でもあります。高級車やブランドが好きな消費大好き世代と言えるでしょう。

 

1970年~1980年生まれの世代

 

この世代では子供の頃にファミリーコンピューターが登場し、学生時代にバブルを経験することなく「眺めていた」世代です。就職するころは不景気な時代。消費は好きだけど慎重な世代です。

 

1980年~1990年生まれの世代

 

この世代が初めてゲームに触れるのはファミリーコンピューターではなく、スーパーファミコン、プレイステーションでしょう。ゲームの内容も複雑化し「オタク文化」がむしろ一般的になった時代でもあります。

 

1990年~2000年生まれの世代

 

この頃に生まれた世代は、ものごころついた頃にはインターネットも普及しており、デジタルな世界が当たり前の世代と言えるでしょう。教育指導も「ゆとり」を重視し、これまでの競争社会から一変しました。消費の特徴はシェアやレンタルが当たり前で、この親の世代とは真逆の浪費に嫌悪感を抱く世代です。

 

このように見ると、1990年生まれ頃までの世代は物を所有、収集して楽しむという文化が垣間見れます。しかしバブル崩壊以降の、現在30歳未満の若い世代では、物を所有することや高級品には興味がなく、人と繋がることに重きをおく、お金は必要な物だけに使うという特徴を感じます。

 

第2章 現在の日本のゲーム機器市場

 

現在、日本のゲーム機器の市場はスマートフォンを使ったオンラインゲームの市場が圧倒的な伸びを見せており、およそ7割がオンラインゲームが占めています。2019年のゲーム市場の全体規模は1兆7330億円で、すでに2兆円に迫る勢いです。コロナ禍の外出自粛によって自宅でゲームをする時間が増えたことで、さらなる伸びを見せるのも必至でしょう。

 

ゲーム専用機の市場がモバイルゲームに抜かれたのは2014年頃で、現在専用機のみのアクティブユーザーは約360万人、モバイルゲームのみのアクティブユーザーは約1900万人ほど、約560万人がその両方を楽しんでいます。また両方を楽しむユーザーには男性が多く、女性はモバイルのみというデータもあります。

 

また、ゲームをする人口は世代別にまんべんなく分布しており、ゲームは子どもが遊ぶものといった概念はありません。

 

このようなデータをもとにこれからのマーケティング戦略を考えると、マニアックなゲーム専用機のゲームソフトの対象は男性向けであり、特に消費に積極的な中年世代がターゲットになっていくでしょう。またモバイル機器を使ったスマホゲームの対象は幅が広く、子どもから女性も楽しめる、分かりやすさと可愛さを兼ね備えたゲームが人気です。スマートフォンのような持ち運べるという特徴は、これからの高速通信でもその威力を遺憾なく発揮され、現実と仮想空間を混在させたファンタスティックなゲームがどんどん登場し人気を博すことでしょう。

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