これまでのお笑い業界といえば、大手の芸能事務所に所属して活動することが当たり前。その中でも、かつては大先輩にあたる師匠に弟子入りして芸を学び、師匠に認められて初めて作家さんの書いたネタをお客さんの前で披露できるというのが常識でした。
しかし、漫才ブームといわれる1980年以降、新たなスタイルがどんどん生み出される中、90年代には支障を持たずに独自のネタで勝負するお笑い芸人が多数派となり、テレビやラジオを席巻するようになりました。
いま、師匠と呼ばれる大御所にもそのような師匠を持たずに弟子を取らないタレントも数多くおり、大手の芸能事務所にさえ所属せずに、個人事務所で大活躍するタレントもいます。
このように、お笑い界の世界は常に新しい風を呼びこんで成長し、さらに新しいブームを作っています。
それでは、今回は、そんなお笑い業界が今後どのように変化していくのかを予測しながら新しいエンターテイメント業界の展開を解説していきましょう。
第1章 お笑い界の変化のスピードアップ
先ほども述べたように、お笑い界の笑いのコンテンツやそれを取り巻く環境は大きく変化し続けています。かつては、お笑い界は喜劇や漫才、落語といった決まった形のもとで行われていました。むしろ笑いのコンテンツは歌手やアイドルといったジャンルに置かれ、ドッキリ企画やバラエティー番組には芸能人が出演していました。
しかし、今ではお笑い芸人がその番組のMCを勤め、出演者も大半がお笑い芸人というほどテレビ業界をジャックしています。このように、お笑い芸人がメディアを賑わすようになったのは、バブル崩壊後に番組制作の費用が削減され、比較的安く出演してくれるお笑い芸人が重宝されたから。しかも、少々の派手な演出もお手のもので多種多様な番組に欠かせない存在となっていきました。
そして今では年末の漫才NO1を決める番組など、お笑いが国民にとって欠かせないコンテンツとなっています。
第2章 お笑い芸人の登竜門
かつてはお笑い芸人がメディアに頭角を表すにはある程度の時間がかかりました。自分の決めた師匠に弟子入りし、劇場の前座などで場数を踏みながら修業を重ねて、徐々にファンを獲得していくようなスタイルが過去の主流。そこから師匠を持たずに、いきなり漫才のコンテストなどのオーディションに応募してデビューするスタイルが見られるようになり、今では動画配信サービスを利用して、SNSなどで拡散してインターネットを通じて有名になるユーチューバー芸人も現れています。
かつての登竜門であった劇場の舞台はインターネット上の動画に変わり、その芸をジャッジする人も師匠から視聴者へと移り変わったのです。これにより、お笑いの芸の幅や笑いのコンテンツはより多様化と複雑化を見せており、今までの笑いの常識がものすごいスピードで変化し続けています。
第3章 お笑いと地域復興
かつてはお笑い芸人自身が出身地を意識することのないネタを披露していました。これは、漫才ネタの作家が作ったネタを使っていたこともありますが、最近ではほとんどが自身でネタを書くために出身地の方言をそのまま使ったりして、地元で人気の冠番組をもつ若手芸人もいます。
とくに東北や北海道など、今まであまり目立たなかった地域のお笑い芸人の台頭が目立ち、新しい芸風も生まれています。このような流れは、地域の宣伝になり、またお笑い芸人が観光大使として地元をPRすることも出来ており、大きく地元に貢献して更なる人気を呼ぶという好循環を生み出す原動力なのです。
第4章 これからのお笑いエンターテイメントのまとめ
お笑いの芸はいま、過去に例を見ないスピードで移り変わりながら進歩しています。年々お笑いのネタの内容は変わり、見ていても気持ちの良い、他人を陥れないようなお笑いが主流になりつつあります。このようなお笑い界のステージに立つ方法も、YouTubeを使ったり、地元でSNSで拡散を狙ったりするなどさまざまな方法があります。大切なことは、まずやってみること。動画配信などはお金もかからずできるので、まずは周囲の反応を見ながら勉強し、どんどんアピールしてみましょう!